触媒とは化学反応のはやさだけを変えて、それ自身は変化しない物質のことを言います。
(化学反応とは、物が燃えたりするように、分子や原子がくっついたり離れたりして別のものになることです。例えば白金の粉があるとアルコールが火をつけなくてももえます。白金が触媒として作用するためです)
光触媒は光のエネルギーを使って、触媒作用を発生する物質です。酸化チタンが代表的な原料です。酸化チタン光触媒は通常の触媒のように化学反応を加速するほかに、表面が光によって親水性(水に濡れやすい状態)になるという特長があります。
原理はホームページの「光触媒入門」をご覧ください。
酸化チタンは白い粉で、塗料の顔料としてたくさん使われており、化粧品や紙にも使われています。チタン原子は地表に比較的多く含まれており(10番目)、資源問題や環境問題の少ない材料です。
光触媒用酸化チタンは粉を細かくしたり、結晶形をコントロールするなどして触媒効果を高くしたものです。
光触媒は光を吸収して触媒作用を発揮しますので、吸収できる光が必要です。
酸化チタンは可視光は吸収せず紫外線だけを吸収しますので400nm以下の波長の紫外線が必要です。尚、抗菌を目的とした製品の多くは、光が少ない場所でも効果が得られるように抗菌剤(銀など)が加えられています。
光触媒は表面に付着したものを酸化分解するので、有機物汚れ(油やたばこのヤニなど)や表面に来た臭い成分を除去できます。また表面に付着した細菌の増殖を抑制する(抗菌)こともできます。ただし、表面にあるものだけに作用しますので離れたものを分解・除去することは出来ません。光触媒の効果は、一般に、光の量(紫外線)や光のあたる面積に比例します。
また、光触媒の親水性を利用して、鏡や窓が水滴で曇り難くすることもできます(防曇効果)。
表面に付着した汚れ(有機物)を分解することや、親水性によって雨水又は水を掛けたときに汚れが洗い流されることによって、表面を汚れにくくする機能です。
酸化チタン光触媒そのものは、安定で変化しないので寿命は半永久的ですが、表面に分解できない物質(無機物や多量の汚れ)が付着して効果がなくなることがあります。
(この場合は水洗して光(太陽光など)に当てると回復できます)
また、固定している樹脂の劣化や剥がれによって酸化チタンが無くなり寿命になることがあります。
詳しくは製品メーカーの説明を見てください。
効果が得られない場合の多くは光(紫外線)不足です。出来るだけ光の多い窓際や照明ランプの近くで使ってください。汚れ防止の多くは親水性を利用しています。光と同時に水がかかる所で使用してください。
なお、臭いや有害ガス分解用光触媒には光が不足していても効果が得られるように活性炭などの吸着剤を併用したものがありますが、このような製品は太陽光に当てることによって性能が回復します。
原料となる酸化チタンは食品添加物として認可されているもので、食品や化粧品などに広く使用されています。光触媒として用いられる酸化チタンの多くは微粒子です。
なお、光触媒製品の安全性情報については、経口毒性、皮膚刺激、変異原性、皮膚感作性など工業会のルールに従って、製品ごとに表示される予定です。
酸化チタンに添加物を加えて、400nmより長い波長の光でも触媒効果のある材料が開発され応用製品も発売されています。
光触媒技術は酸化チタンによって、水を酸素と水素へ分解できるという発見から始まっています(本多・藤嶋効果)。現在もクリーンなエネルギーとして盛んに研究されていますが、効率が不足しており実用化にはもう少し時間がかかりそうです。